11月22日のMT結果:困った感情の取り扱い方
11月22日のミーティングは、女性1名男性3名の計4人で行いました。この日から新しい本「大人のために困った感情のトリセツ」(水島広子著作)の読み合わせをはじめ、27ページまで進めました。
とりあえず、概略を記載しておきます。
■ はじめに
「困った感情にどう対処するか」については、いろいろな人がいろいろな努力をしている。たとえば、「怒らないようにしよう」「感情的にならないようにしよう」などと、できるだけ「困った感情」を避けて暮らそうとしている人は多い。
また、「ネガティブに受け止めるから、『困った感情』になるのだ」と、「受け止め方」をポジティブに変えるべく努力している方もいる。これらは、「困った感情」を抱かないための予防法です。
さらに、
- 怒り、不安、罪悪感……など、自分の「困った感情」に振り回されてしまって苦労している
- キレる上司、嫉妬深い夫、心配性の母……など、他人の「困った感情」に巻き込まれてひどい目に遭っている
こうした事態に陥って「困っている人」は、とても多いのではないか。喜びなどのポジティブな感情はむしろ人生を輝かしいものにしますが、「困った感情」は人生を厄介なものにしがちです。
■ 「感情の取り扱い方」を知ることの効果
「感情の取り扱い方」を知るだけで、以下のような効果が期待できるのです。
・ ムカッとしても、すぐに対処できるので、機嫌よくいられる
・ 不安になっても、「やってみよう!」と思えるようになる
・ ウツウツとした気分を、引きずらなくなる
・ 感情に振リ回されず、冷静な判断ができるようになる
・ 人間関係のトラブルが減る
・ 感情的な人と会っても、傷つきにくくなる
・ ネガティブな感情が減るので、幸福感を味わえる
・ イヤな気持ちを抱えなくなるので、健康になる
・ 今、自分が抱えている問題点がわかる
・ 感情をコントロールできると、もっと自由に生きられる
■ 感情には身体感覚に似た機能がある
○ 身体感覚が危険を知らせてくれる
私たち人間には、感情という「機能」が備わっています。
この「機能」は、身体感覚と似たようなものです。
たとえば、何か熱いものを触ったときは、「熱い!」と身体が感じるため、手を引っ込めてやけどを防ぐことができます。何かにぶつかったときは、「痛い!」と身体が感じるため、痛いものをよけたり、傷をケアしたりすることができます。
「熱い!」「痛い!」という身体の感覚が身の危険を「知らせて」くれるので、あまり余計なことを考えなくても、すばやく適切な行動がとれるのです。
○ 感情にも「何かを知らせる」機能がある
感情にも、こうした「機能」があります。たとえば「不安」という感情は、「転職先でうまくやれるか不安だ」「将来結婚できるか不安だ」……などというように、「自分の安全が確保されていない」ということを「知らせる」もの。
「安全が確保されていない」状況に出合ったことを知らせるた、めに、胸が苦しくなったり、心朧がドキドキしたりと、心身が不安モードになるのです(そして、このままでは危険だ、と判断した場合、反撃に出たり逃走したり……これはもうパニック状態と言えるでしよう)。
■ 「感覚」は変えられないが「感情」は変えられる
何かを「知らせる」という点で、感情は身体感覚と似ていますが、似ていないところもあります。身体感覚の場合、「熱い!」ものはいつまでも「熱い!」まま。
一方、感情の場合、「身の周りに起きたことをどう認識して扱うか」によって、感じ方が変わってきます。
■ 感情の特性
身体の場合、熱ければ手を引っ込めるしかない。しかし、感情の場合、とらえ方を変えれば、感じ方が変わり別の選択肢が見えてくる。
この「感情の特性」を知らないと、たとえば「不安」を感じた場合、不安のあまり新しい一歩を踏み出せないままになってしまうでしょう。
こうした感情の「特性」や「機能」、「利用法」をお伝えするのが、この「トリセツ(取扱説明書)」です。感情について、何も知らないままでいるということは、大きなリスクがあります。
たとえば、「怒り」にまかせて相手に攻撃を加えれば、反撃を食らって、立ち直れないほどのダメージを負うこともあるでしょう。しかし、「怒リ」の取り扱い方を知っていれば、ダメージを受けるどころか、人生をよリスムーズに進めることができるのです。
STEP1 「怒り」の役割を知る
「不愉快なずれがある」というサイン
怒りという感情の本来の役割は、「何かがうまくいっていない」ということを私たちに知らせることです。
「本来あるべき状態との不愉快なずれがあるサイン」と言ってもよいでしょう。
たとえば、親切にしてあげたらお礼が返ってきて当然なのに、相手に素知らぬ顔をされて腹が立った場合。「本来あるべき状態との不愉快なずれ」がありますし、「何かがうまくいっていない」ということにもなります。
「怒っている」=(イコール)「困っている」
さて、「不愉決なずれがある」「何かがうまくいっていない」と、人はどうなるでしょうか。
最もシンプルに言えば、困りますよね。
ですから、「怒っている」ということは、「[困っている]ということなのです。
これは過去を振り返ればわかると思います。自分が感情的に怒っているときに、困っていなかった場合などなかったはず。
「こうなるはずだったのに!」「余計な邪魔が入った!」など、「自分が想定していたようにならなくて、困った」ことによる怒り(予定狂いの怒り)だったことがとても多いと思います。
■ 怒りは「困った状況」を知らせる感情
怒りは、「あいつがムカつく」「あの人って腹が立つ」など、「相手に対する感情」をあらわすものだと思っている人が多いと思います。しかし、「自分が困っていることを示す感情」でもあるのです。
怒っているときの自分自身に注目してみてください。たしかに「困っている」でしょう。
このポイントを押さえて、怒りをうまく扱ういましょう。

【当事者研究】
にこっとの検証 ~ズレているのはどっち
1 過去の私は傲慢でした。
共依存症者で強迫的な教えたがり屋の私は、他人のあるがままを受け入れることができずに、相手の欠点を探して改善させようと働きかけることがよくありました。
私のポジションは上(教える側)で、相手は下(問題を抱える側)の関係性で認識のズレが生じているのは相手の方だと考えていました。
2 少し謙虚に並走
ある程度回復が進むと、自分が上のポジションに位置したままで相手を引き上げようとするのではなく、
自分が相手の所まで降りていき、不安な心を支持したり、並走するようになりました。
しかし、そのやり方でも私の傲慢さは消えず、謙虚さも足りませんでした。
3 そして下座に
転職した今では、自分のポジションを下座に位置する、つまり下の置くように心がけています。
みなさんの素晴らしいご苦労に対して、私の正義や正しさ、価値観は足元にも及ばないのだと心得て
その関係性を丁寧に育てていきたいです。
要するにズレているのは、私の方だったのです。

Hさんの分かち合い
【担当スタッフが私に構う機会を減らし、他の利用者さんと特別扱いしている】
出来事に対する認知や受け止め方については、デイケアでも学んでいるので、知ってもいるし、理解しているつもりなのですが、それだけでは心の平穏を維持できないのです。
例えば、私の担当スタッフが他の利用者さんのケアをしている様子を目にすると次のような気持ちが沸いてくるのです。
○ もっと私を見て(ケアして)
○ 私だって問題を抱えているのだから
○ スタッフは好き嫌いで仕事しているのかしら
○ もしかしたら私は嫌われている?
○ 「もっと私に関心を向けて」って言ったらどうなる?
○ スタッフに迷惑をかける問題児として嫌われる
○ 私は我慢するしかないの
【ファシリテーターからの質問】
「この出来事に対して、Hさんは何をどうしたいですか?
① スタッフの人数が少ないので増やすようにと病院側に働きかける
② 担当スタッフの行動を変え、自分にかかわる機会を増やすようにする
③ 今感じている不安やスタッフに対する不信感の対処方法を考える
当事者研究という短い時間の中で、仲間とともに取り組める課題は何でしょう」
Hさんは③番を選択なさりましたので、少しだけ過去を点検するために幼いころの思い出を振り返ってもらいました。
「自分は末っ子として育ち、上には年の離れた兄がいます。兄から叱られた記憶があります。」
「このエピソードから思い出すことは、自分が何かすると母親が『お兄ちゃんに言うよ』と言っているのです。母親自身が叱るのではなく、私を叱るのは兄でした。兄からは足蹴りされたこともありました」
【仲間の意見】
○ 幼少期にそんな体験をしているのであれば、あなたの甘えたい気持ちや自由を抑圧され、他人に
迷惑をかけてはいけない、自分が我慢するしかないなどの信念を持ってしまった可能性があります。
○ 子どものころは、その信念が自分を守り、生き残るための有効手段だったのだけれど、大人に
なってからは通用しなくなっているのかもしれません。
○ スタッフさんが、あなたにかかわる機会を減らしている状況を捉えなおしてみると
自分から声かけをしていく機会にチャレンジするってことかも知れません。
○ 私たちは、言葉を使うことも使う言葉を選ぶこともできます。
○ 自分の内側だけに抱えている素直なお気持ちをスタッフに伝え、その結果スタッフさんが
どんな反応をするのか試してみるのはどうでしょうか?

☆☆ 次回のミーティングは、11月30日に行います。☆☆